恋は気がつかないうちにおとずれてくる。 われわれはただ、それが去っていくのをみるだけである。
人間には幸福のほかに、 それとまったく同じだけの不幸がつねに必要である。
不幸な人間は、 いつも自分が不幸であるということを自慢しているものです。
話好きが暖炉に背を向けるように、 人は死と背中合わせになっている。
愛情には一つの法則しかない。それは愛する人を幸福にすることだ。
男にとっては今日一日だけの浮気心にすぎないものに、 女はその一生を賭ける。
死のうと思っていた。 今年の正月、よそから着物一反もらった。 お年玉としてである。着物の布地は麻であった。 鼠色の細かい縞目が織り込まれていた。これは夏に着る着物であろう。 夏まで生きていようと思った。
僕は本を買うとまず結末を読む。読みおえる前に死ぬと困るから。
少しのきまじめさは恋愛においては結構だ。 しかしあまり真面目すぎては困る。それは重荷であり、快楽でなくなる。
恋というものは、オーバーのように、 着たり脱いだりできるものじゃないんだ。
男は清らかな美にひかれるものだ。 あなたの巻毛を乱雑にしておきたもうな。
孤独――訪ねるにはよい場所であるが、 滞在するのには寂しい場所である。
もし人生が二回あればお母さんの言う通りに高校へ行くけど、 一回しかないんだから自分の自由にさせてください。
智に働けば角が立つ。情に棹せば流される。 意地を通せば窮屈だ。兎角にこの世は住みにくい。
恋は、できの悪い学者よりも数倍勝る人生の教師である。
友情は不変といってよいが色と恋が絡めば話は別になる。
我々は、 幸福になるためによりも、 幸福だと人に思わせるために四苦八苦しているのである
ずいぶん敵を持ったけど、 妻よ、お前のようなやつははじめてだ。
人は幸運の時は偉大に見えるかもしれないが、 真に向上するのは不運の時である。