床の上で自分の子供の電気機関車をいじくって三十分を空費することのできる男は、 どんな男でも実際は悪い人間ではない。
男がどんな理屈を並べても、女の涙一滴にはかなわない。
男と女の間に友情はあり得ない。 情熱、敵意、崇拝、恋愛はある。しかし友情はない。
男は別れの言い方が分からない。 女はそれを言うべき時が分からない。
男にとっても、結婚はしばしば一つの危機である。 その証拠に、多くの男性精神病患者は婚約期間中、 もしくは結婚生活の初期に生まれる。
人生にはいやなことがいっぱいある。中でも一番いやなものは、男同士の晩餐だ。
男と女とが結婚したときには、 彼らの小説は終わりを告げ、彼らの歴史が始まる。
男は常に女の初恋の人でありたがる。それが男の無様な虚栄である。
一人の女しか愛さない男はしばしばもっとも幸福な生活を送るが 死ぬときはもっとも孤独な死にかたをする。
できるだけ早く結婚することは女のビジネスであり、 できるだけ結婚しないでいることは男のビジネスである。
男は人生を知るのが早すぎるし、女は知るのが遅すぎる。
ある男がはじめて君をあざむいたときには、 彼を辱めるがいい。 しかし、その男がもう一度君をあざむいたとしたら、 君自身を恥じるがいい。
女はたとえ百人の男にだまされても、百一人目の男を愛するだろう。
男にふさわしいのは権威であり、女にふさわしいのは威厳である。
恋する男たちは泥棒と同様、はじめは用心するが、 次第に用心を忘れ、恋にとりつかれてしまう。
どんな男でも、ある女性を自分のものにしようとするときは、 その人が自分の愛に最もふさわしい女性であり、 自分がこんなに夢中になるのももっともなことだと思いこんでいるのである。 そして、それが迷いであったと気づくのは、 あとになって別の女を愛するようになったときである。
情熱家より、冷淡な男のほうが簡単に女に夢中になるものだ。
情熱的に恋したことのない男には、 人生の半分――それも最も美しい半分が隠されている。