幸福というものは、一人では決して味わえないものです。
樫だけが樹ではない。バラだけが花ではない。 多くのつつましい冨が私たちのこの世を豊かにしているのだ。
魂のこもった青春は、 そうたやすく滅んでしまうものではない。
オーケストラを先導しようとする者は聴衆に背を向けねばならない。
よい女房をもらおうと思ったら、ダンスの輪の中から選ばずに、 畑で働いている女性の中から選ばなくてはならない。
迷ったらダメなんだな。 人生の答えなんて、考えたって分かるものじゃない。 ただ、そのときそのときを、 ぎりぎり一杯生きている奴だけにその答えは見えてくるんじゃないだろうか。
孤独はいいものだということを我々は認めざるを得ない。 しかし、 孤独はいいものだと話し合うことの出来る相手を持つことは一つの喜びである。
人生は一冊の書物に似ている。 馬鹿者たちはそれはパラパラとめくっているが、 賢い人間はそれを念入りに読む。 なぜなら、彼はただ一度しかそれを読むことが出来ないのを知っているから。
離婚は事実において結婚の破壊ではない。 むしろ、結婚を維持する第一条件である。
人間は負けたら終わりなのではない。辞めたら終わりなのだ。
十六歳で美しいのは自慢にはならない。 でも六十歳で美しければ、それは魂の美しさだ。
不運な時に幸福な時代を思い出すことほど辛いものはない。
「結婚を考えたことはないのか」 「あるさ。でも考えるのとするのは違う」
床の上で自分の子供の電気機関車をいじくって三十分を空費することのできる男は、 どんな男でも実際は悪い人間ではない。
男がどんな理屈を並べても、女の涙一滴にはかなわない。
恋のチャンスは、 熟れている時にもがなければならない果物のようだ。 一度地から落ちたら二度とチャンスはないだろう。
他人と比較して、他人が自分より優れていたとしても、それは恥ではない。 しかし、去年の自分より今年の自分が優れていないのは立派な恥だ。