私達は年齢を重ねるにつれて、 時間の価値をいっそう鋭く感じるようになる。 実際、時間以外のものはまるで大したものではないように映じてくる。 そしてこの点で、私達はいよいよ悲惨な人間になってくる。
生き物は全て孤独である。 そして人間は自らが孤独であることを最も良く知る者である。
女が男を愛するというときは、 男はたとえ彼女を愛していないくても聞いてやらねばならない。
去る者は日に以って疎し、生ける者は日に以って親し。 古墓犂かれて田と為り、松柏摧かれて薪となる。
貧乏はハシカと同じだ。どうせかかるなら早いほうがいい。 貧乏な家に生まれたことを喜べ。
恋は結婚より楽しい。 それは小説が歴史より面白いのと同様である。
人はある恋を隠すこともできなければ、ない恋をよそおうこともできない。
「昨日のことは忘れて欲しいの」「もう遅い。日記に書いた」
女は自分の美点のために愛されることにときとして同意するが、 常に好むのは、自分の欠点のために愛してくれる人のほうだ。
人間は今だかつて結婚に満足したことがない。 たとえ結婚する当人同士が満足していても、他の人間が満足しないのである。
結婚式もお葬式も同じようなものです。 違うのは、もらったお花の香りを自分でかげることくらいよ。
恋は、それが秘密でなくなるとともに、楽しみでなくなってしまう。
二人の結婚は美しかった。なぜなら彼女は離婚する力を持っていたから。
二人の離婚もまた美しかった。なぜなら彼女は友達となれる心を持っていたから。
男が他の女に恋をしたら、もうなんとも手のほどこしようがありません。 人生とはこんなものです。 どちらに罪があるといった性質のものでは無いんですもの。