すべての悲劇というものは死によって終わり、 すべての人生劇は結婚をもって終わる。
人間は判断力の欠如によって結婚し、 忍耐力の欠如によって離婚し、 記憶力の欠如によって再婚する。
離婚はきわめて自然なもので、 多くの家では毎晩、それが夫婦の間に寝ている。
同棲するために結婚し、三人家族になるのを避けるために離婚する。
愛情がこもっていて無口な人こそ、人生の伴侶としてふさわしい。
女性にとって満足のいくただ一つの運命は、幸福な結婚である。
男は退屈から結婚し、女は好奇心から結婚する。そして双方とも失望する。
結婚というのは宝くじのようなものだ。 ただし当たらなかったからってその券を破り捨てるわけにはいかない。
人間の一生のあらゆる行動のうちで、 結婚は他人に関係することの最も少なきものである。 だがそれはまた、あらゆる行動の中で他人に干渉されることの最も多きものである。
亀の肉がさまざまな肉の味わいを持っているのと同じく、 結婚もまたいろいろと変わった味を持っている。 そして、亀が歩みののろい動物であるのと同じく、 結婚もまた足取りののろいものである。
日曜学校のクラスに金髪の美しい少女がいた。 私は一目ぼれだった。妻となった今も私の気持ちは変わっていない。
男どもは結婚を神聖だなどという。 それこそ神をも人をもあざむく台詞というものだ。 そしていつでも、その台詞の迷惑をこうむるのは、 純潔無垢な、理想の女性とでも言うべき乙女なのだ。
愛情のない結婚は悲劇だ。 しかしまるっきり愛情のない結婚よりいっそう悪い結婚が一つある。 それは、愛情はあるが片一方にだけ、という場合だ。
結婚する。 まだ多少は愛したりもできる。 そして働く。 働いて働いて、そのあげく愛することを忘れてしまうのである。