結婚――いかなる羅針盤もかつて航路を発見したことのない荒海。
結婚をしないで、なんて私は馬鹿だったんでしょう。 これまで見たものの中で最も美しかったものは、 腕を組んで歩く老夫婦の姿でした。
同じ生活を営み、 お互いに愛し合っている二人の人間が、 どの点までお互いに謎であり、 城壁をめぐらしていることができようか。
男はみんな賭博師だ。でなきゃ結婚なんてしやしない。
結婚するやつは馬鹿だ。しないやつは――もっと馬鹿だ。
多くの女性を愛した人間よりも、 たった一人の女性だけを愛した人間のほうが、 はるかに深く女というものを知っている。
金のために結婚するものは悪い人間であり、 恋のために結婚するのは愚かな人間である。
恋は結婚より楽しい。 それは小説が歴史より面白いのと同様である。
よい結婚はあるけれども、楽しい結婚はめったにない。
女が再婚する場合は先夫を嫌っていたからで、 男が再婚する場合は先妻を熱愛していたからだ。 女は運を試し、男は運を賭けるのだ。
結婚なんてつまらない。 死ぬまで夫婦の約束を守らなくちゃならないんだもの。 そんなバカげた約束を誰ができて?明日どんな風が吹くか、神様だってご存知ないわ。
結婚はデザートよりスープが美味しいコース料理である。
いいや、君にはろくなことはないよ。 結婚をしてみろ、君はせっかくの青春を滅ぼすだけの話さ。
男と女というこうも違った、また複雑な人間の間で、互いに良く理解しあい、 ふさわしく愛するために一生を費やして長すぎるということはない。
結婚というのは宝くじのようなものだ。 ただし当たらなかったからってその券を破り捨てるわけにはいかない。
結婚を尻込みする人間は、戦場から逃亡する人間と同じだ。
すべての悲劇というものは死によって終わり、 すべての人生劇は結婚をもって終わる。
結婚をしばしば宝くじにたとえるが、それは誤りだ。 宝くじなら当たることもあるのだから。