世の中には幸福も不幸もない。ただ、考え方でどうにでもなるのだ。
男はある女の愛人でありうるときには、その女の友人である事はない。
青年よ、大志を抱け! それは金銭に対してでも、自己の利益に対してでもなく、 また世の人間が名声と呼ぶあのむなしいものに対してでもない。 人間が人間として備えていなければならぬ、あらゆることをなし遂げるため、 青年よ大志を抱け。
人間は心の底ではまったく死を嫌悪していない。 死ぬのを楽しみにさえしている。消えてゆくランプに苦しみはないのである。
青年は完全なるものは愛さない。 なぜなら、彼らの為すべき余地があまりにもわずかしか残っていないので、 彼を怒らせるか退屈させるからである。
「ダメね。40歳にもなってこれじゃあ」 「こうでなきゃいけないってことなんかないよ」
つまらないことに熱情を感じてよく記憶していること、 これが女の一番の特徴である。 数年前の友達と交わした世間話の中に出てきたこまごましたくだらないことを その気になればいつでも正確に話せるのである。 しかもやりきれないことに、女はいつでもその気になるのである。
娘のために死ねない。 どうしても小学校の授業参観に行きたいんだ。
時間が過ぎ去って行くのではない。 われわれが過ぎ去っていくのだ。
恋の病を癒す薬はいくつもある。しかしそれに間違いなく効く薬というものはない。
「金なんていくらあっても天国まで持っていけやしないよ」
ラブレターを書くには、 まず何を言おうとしているのか考えずに書きはじめること。 そして、何を書いたのかを知ろうとせずに書き終わらなければならない。
どこにも人を引きつける所を持たないことを自覚している人間は、 それについてくよくよとあせるより、 自然のままで一人で生きているほうが賢明である。
年をとってから暖まりたいものは、 若いうちに暖炉を作っておかなければならない。
私たちが愛する人々の幸福を願うのは当然である。 だが、自分達の幸福を棄ててまでこれを願うべきではない。
他人の厚顔無恥に腹が立つとき、ただちに自らに問うてみよ。「世の中に恥知らずの人間が存在しないということがありえようか」「ありえない」と答えるだろう。それならば、ありえぬことを求めるな。
どうか僕を幸福にしようとしないで下さい。 それは僕に任せてください。