夢は、できる限り最大に実現するために、 その陰で努力を続けている限り誰も傷つけることはない
誰でも死ななくちゃいけない。 でも私はいつも自分は例外だと信じていた。 なのに、なんてこった。
人間の一生を支配するのは運であって、知恵ではない。
人は反感から愛へ向かう。 だが愛することから始めて反感に達する場合には、けっして愛には戻らない。
恋には二種類ある。 その一つは、人を誰でも見苦しいものにしてみせる"満たされない恋"であり、 他の一つは、人を誰でも白痴にする"満たされた恋"である。
恋には経験というものはない。 なぜなら、そのときにはもう恋していないのだから。
人間は、死、悲惨、無知を癒すことができなかったので、 自己を幸福にするために、それらを敢えて考えないように工夫した。
恋の悩みほど甘いものはなく、恋の嘆きほど楽しいものはなく、 恋の苦しみほど嬉しいものはなく、恋に苦しむほど幸福なことはない。
一見して人生には何の意味もない。 しかし一つの意味もないということはあり得ない。
日曜学校のクラスに金髪の美しい少女がいた。 私は一目ぼれだった。妻となった今も私の気持ちは変わっていない。
死のことは考えるに及ばない。 死は我々が手を貸さなくても我々のことを考えてくれているのだから。
愛情のない結婚は悲劇だ。 しかしまるっきり愛情のない結婚よりいっそう悪い結婚が一つある。 それは、愛情はあるが片一方にだけ、という場合だ。
ほんとうに誠実に生きるためには朝、決めたものを、 夜、NOと言わざるを得ないこともあるかもしれない。
「時」をまねるがよい。「時」は一切のものをゆっくりと破壊する。 「時」はおもむろに浸蝕し、消耗させ、根こそぎにし、引き離す。 だが、ひったくることはない。
この世界は、大勢の人に愛読される絵本のようなものである。 ページをめくって一つ一つの絵を楽しむが、原文の一行もみんな読みはしない。
人は幸福を探し始めると、たちまち幸福を見つけられない運命に陥る。 しかしこれには不思議はない。 幸福とは、あのショーウィンドウの中の品物のように、 好きなものを選んで金を払えば持って帰れるというものではない。
お前の唇は苦い味がした。 あれは血の味だったろうか?……いや、ことによったらあれは恋の味かもしれない。 恋は苦い味がするというから。
「今が最悪の状態」と言える間は、 まだ最悪の状態ではない。