この世の中で一番強い人間とは、孤独で、ただ一人で立つ者なのだ!
僕もこうして人間に生まれてきたんだから、 やはり何か生きがいが感じられるまで生きている義務がある。
10歳にして菓子に動かされ、20歳にしては恋人に、30歳にして快楽に、 40歳にしては野心に、50歳にしては貪欲に動かされる。 いつになったら人間はただ知性のみを追って進むようになるのであろうか。
この世は一冊の美しい書物である。 しかしそれを読めない人間にとっては何の役にも立たない。
人間の一生のあらゆる行動のうちで、 結婚は他人に関係することの最も少なきものである。 だがそれはまた、あらゆる行動の中で他人に干渉されることの最も多きものである。
人生はそれを感ずる人間にとっては悲劇であり、考える人間にとっては喜劇である。
人間の一生を支配するのは運であって、知恵ではない。
人間は、死、悲惨、無知を癒すことができなかったので、 自己を幸福にするために、それらを敢えて考えないように工夫した。
王様であろうと百姓であろうと、 自分の家庭で平和を見出す者が一番幸福な人間である。
最初に自殺しようと考えた人間は、人生を永遠に侮辱してしまったのである。 人生は大いに気を悪くしている。
ライオンの雄にはたてがみがあり、孔雀には豪勢な羽があるが、 人間の男には三つボタンの背広しかない。
金がないから何もできないという人間は、 金があってもなにも出来ない人間である。
運命は神の考えることだ。 人間は人間らしく働けばそれで結構である。
富を軽蔑する人間をあまり信ずるな。 富を得ることに絶望した人間が富を軽蔑するのだ。 こういう人間がたまたま富を得ると、一番始末が悪い人間になる。
同じ生活を営み、 お互いに愛し合っている二人の人間が、 どの点までお互いに謎であり、 城壁をめぐらしていることができようか。
多くの女性を愛した人間よりも、 たった一人の女性だけを愛した人間のほうが、 はるかに深く女というものを知っている。