金は底のない海である。このなかに名誉も良心も心理もみんな投げ込まれる。
若いときの自分は、金こそ人生でもっとも大切なものだと思っていた。 今、歳をとってみると、その通りだと知った。
ああ、金、金! この金のためにどれほど多くの悲しいことがこの世に起こることであろうか!
人は、愛もなく妻を持つように、幸福もなく財産を持つ。
金は借りてもならず、貸してもならない。 貸せば金を失うし、友も失う。 借りれば倹約が馬鹿らしくなる。
富を軽蔑する人間をあまり信ずるな。 富を得ることに絶望した人間が富を軽蔑するのだ。 こういう人間がたまたま富を得ると、一番始末が悪い人間になる。
金がないから何もできないという人間は、 金があってもなにも出来ない人間である。
金こそは――取るに足らぬ人物を第一級の地位に導いてくれる唯一の道である。
私達は金を稼ぐために頭脳をもち、金を使うために心情を持っている。
ほんとうに大切な自由はただ一つ、「経済的な自由」がそうだ。
人間のうちの最高の賢者さえも、 金を取りに来る人間よりは、金を持ってくる人間を歓迎する。
金持ちがどんなにその富を自慢しているとしても、 彼がその富をどんなふうに使うかが判るまで、彼をほめてはいけない。
貧困と希望は母と娘である。娘と付き合っていると母のほうを忘れる。
金を失うのは小さく、名誉を失うのは大きい。 しかし、勇気を失うことは全てを失う。
人々はお金で貴いものは買えないという。 そういう決り文句こそ、貧乏を経験したことのない何よりの証拠だ。
貧乏には、楽しいことが沢山あるに違いない。 でなければ、こんなに沢山の人が貧乏であるわけがない
金の値打ちがわからないのだったら、 でかけていって誰かに借金を申し込んでみるがいい。