金のある者は、金があるために不正をし、 金のない者は、金がないために不正なことをする。
人間のうちの最高の賢者さえも、 金を取りに来る人間よりは、金を持ってくる人間を歓迎する。
自分のポケットの小銭は、他人のポケットの大金にまさる。
金こそは――取るに足らぬ人物を第一級の地位に導いてくれる唯一の道である。
金持ちがどんなにその富を自慢しているとしても、 彼がその富をどんなふうに使うかが判るまで、彼をほめてはいけない。
貧乏人の写真が新聞に出るのは、犯罪を犯したときに限られる。
金持ちは世界の隅々にまで従兄弟やおばさんをもっている。 貧乏人が持っている親戚は不幸だけだ。
金は底のない海である。このなかに名誉も良心も心理もみんな投げ込まれる。
あらゆる借金の中で人々は税金を一番払いたがらない。 これは政府に対するなんという諷刺であろうか。
おかしいわよ、金持ちの人がお金でなんでも手に入ると思っているのは。 あたし、そんなもの少しも欲しくない。 好きな人とならどんな汚い部屋だってかまいやしない。 気が向かなかったら、豪邸に住めっていわれたってイヤだわ。 お金なんて……、そう、お金の上でダンスしてみせるわ、つばをひっかけてみせるわ。
金を持っている人間は、 貧乏人がそのはかない運命を訴えることを聞くのが大嫌いである。