金がないから何もできないという人間は、 金があってもなにも出来ない人間である。
金を持っている人間は、 貧乏人がそのはかない運命を訴えることを聞くのが大嫌いである。
金儲けのうまい人は、無一文になっても自分自身という財産を持っている。
人々はお金で貴いものは買えないという。 そういう決り文句こそ、貧乏を経験したことのない何よりの証拠だ。
借金は愚行と犯罪の多産な母親であり、知恵の不足はその父親である。
樫だけが樹ではない。バラだけが花ではない。 多くのつつましい冨が私たちのこの世を豊かにしているのだ。
貸すならば、なくしても惜しくないだけの額を貸すことだ。
あらゆる借金の中で人々は税金を一番払いたがらない。 これは政府に対するなんという諷刺であろうか。
おかしいわよ、金持ちの人がお金でなんでも手に入ると思っているのは。 あたし、そんなもの少しも欲しくない。 好きな人とならどんな汚い部屋だってかまいやしない。 気が向かなかったら、豪邸に住めっていわれたってイヤだわ。 お金なんて……、そう、お金の上でダンスしてみせるわ、つばをひっかけてみせるわ。
人間のうちの最高の賢者さえも、 金を取りに来る人間よりは、金を持ってくる人間を歓迎する。
人は、愛もなく妻を持つように、幸福もなく財産を持つ。
金がないから何もできないという人間は、 金があってもなにも出来ない人間である。
諸悪の根源は金そのものではなく、金に対する愛である。
金の値打ちがわからないのだったら、 でかけていって誰かに借金を申し込んでみるがいい。
ああ、金、金! この金のためにどれほど多くの悲しいことがこの世に起こることであろうか!
借金を返すということは収入の問題ではない。性質の問題だ。
金は天下のまわりものだ。いつもこちらをよけてまわるのが気にくわないが。