金は天下のまわりものだ。いつもこちらをよけてまわるのが気にくわないが。
貧乏人の写真が新聞に出るのは、犯罪を犯したときに限られる。
女房と財布は努めて隠しておけ。 あまりたびたび人に見せると、一日借りられる恐れがある。
貧乏はハシカと同じだ。どうせかかるなら早いほうがいい。 貧乏な家に生まれたことを喜べ。
もし他に方法がなければ乞食になってもいい。 しかも乞食になったらその日から、手に入ったお金は自分のためにも、 家族のためにも、無駄なことに絶対に浪費しないという徹底的な粘り強さ。 ――これさえあれば、人間は誰でも金持ちになれるものである。
あなたがたのなかにはいつでも貧しい者がいるだろう。 というのは、いつでも富める者がいるからなのだ。 富める者、すなわち、所有よりも権力のほうを求める貪欲で冷酷な者が。
金こそは――取るに足らぬ人物を第一級の地位に導いてくれる唯一の道である。
金持ちがどんなにその富を自慢しているとしても、 彼がその富をどんなふうに使うかが判るまで、彼をほめてはいけない。
富を軽蔑する人間をあまり信ずるな。 富を得ることに絶望した人間が富を軽蔑するのだ。 こういう人間がたまたま富を得ると、一番始末が悪い人間になる。
貸すならば、なくしても惜しくないだけの額を貸すことだ。
金のある者は、金があるために不正をし、 金のない者は、金がないために不正なことをする。
金持ちでも貧乏人でも強い者でも弱い者でも、 遊んで暮らしている市民はみんな詐欺師だ。