死ぬことは悪くない。死について考えることから解放してくれるから。
一人を失ったからといって嘆くことはない。 男と女は半分ずついるのだから。
深海にいきる魚のように自ら燃えなければどこにも光はない。
誤りと無知とによって作られた幸福など、私は欲しくない。
結婚するのは、二人とも他に身の振り方がないからである。
一度結婚してしまうと、善良であること以外には何事も、 そう、自殺でさえも残されていない。
少しの悲しみもない純粋な幸福なんて、めったにあるものではない。
意味を求めたってはじまらないよ。人生は欲望だ。意味などどうでもいい。
幸福だから笑うわけではない。 むしろ、笑うから幸福なのだと言いたい。
幸福の便りというものは、待っている時には決して来ないものだ。
自分の全生命を女の愛というカードに賭けた男が、 このカードが殺された時、 がっくりとなって何事も手につかないほど放心してしまうようなら、 そんな人間は――男ではなく、ただのオスである。
この世に運などない。 全ては試練、刑罰、保証ないしは先見である。
誰一人知る人もない人ごみの中をかき分けていくときほど、 強く孤独を感じるときはない。
常に賢明な人間でありたいと思うなら、決して結婚はしてはならない。 結婚というものは、 ウナギをつかもうと思って、蛇の入っている袋に手を入れるようなものだ。 結婚するくらいなら、まだ痛風にでもかかったほうがマシだ。
女も凡庸な作家も、自画自賛するほどには世間から賞賛されない。
私達は年齢を重ねるにつれて、 時間の価値をいっそう鋭く感じるようになる。 実際、時間以外のものはまるで大したものではないように映じてくる。 そしてこの点で、私達はいよいよ悲惨な人間になってくる。
女が男を愛するというときは、 男はたとえ彼女を愛していないくても聞いてやらねばならない。