恋愛においては、 恋したふりをする人のほうが本当に恋している人よりもずっとうまく成功する。
人生とは、 病人の一人一人が寝台を変えたいという欲望に取り憑かれている一個の病院である。
恋は気がつかないうちにおとずれてくる。 われわれはただ、それが去っていくのをみるだけである。
人間には幸福のほかに、 それとまったく同じだけの不幸がつねに必要である。
死のうと思っていた。 今年の正月、よそから着物一反もらった。 お年玉としてである。着物の布地は麻であった。 鼠色の細かい縞目が織り込まれていた。これは夏に着る着物であろう。 夏まで生きていようと思った。
恋というものは、オーバーのように、 着たり脱いだりできるものじゃないんだ。
男は清らかな美にひかれるものだ。 あなたの巻毛を乱雑にしておきたもうな。
我々は、 幸福になるためによりも、 幸福だと人に思わせるために四苦八苦しているのである
ずいぶん敵を持ったけど、 妻よ、お前のようなやつははじめてだ。
人に好かれるための唯一の方法は、 畜生のなかで最も愚かなものの皮をかぶることである。
人間の死ぬのはいつも早すぎるか遅すぎるかよ。 でも一生はちゃんとけりがついてそこにあるのよ。 一本、線が引かれたからには総決算しなけりゃ。 あんたは、あんたの一生以外の何ものでもないのよ。
男女の仲というのは、夕食を二人っきりで三度して、 それでどうにかならなかったときはあきらめろ。
樫だけが樹ではない。バラだけが花ではない。 多くのつつましい冨が私たちのこの世を豊かにしているのだ。
魂のこもった青春は、 そうたやすく滅んでしまうものではない。
よい女房をもらおうと思ったら、ダンスの輪の中から選ばずに、 畑で働いている女性の中から選ばなくてはならない。
最も難しい三つのことは、 秘密を守ること、 他人から受けた危害を忘れること、 暇な時間を利用すること。
迷ったらダメなんだな。 人生の答えなんて、考えたって分かるものじゃない。 ただ、そのときそのときを、 ぎりぎり一杯生きている奴だけにその答えは見えてくるんじゃないだろうか。
君の人生に女が入ってくる。 素晴らしいことだ。出ていってくれたらもっと幸福なのに。
我々はときおり、 悪夢から目覚めた瞬間に自らを祝福することがある。 我々はおそらく、死んだその瞬間をみずから祝福することであろう。