涙とともにパンを食べたものでなければ人生の味はわからない。
すべての人間の一生は、神の手によって書かれた童話にすぎない。
愛情と欲情が溶け合ったときには、 恋愛はほとんど友情に近い穏やかさをおびる。
人間は九ヶ月かけて生きる準備を整えるが、 人間を死に導くには一瞬の間しか必要としない。
「運」ってやつは、たえず変わる。 いま後頭部にがんと一撃くわせたかと思うと、 次の瞬間には砂糖をほおばらせてくれたりする。 問題はただ一つ、へこたれてしまわないことだ。
誰もが自分の選んだ運命や偶然与えられた運命に満足せず、 他の道を歩んだ人々を羨むのはどういうわけだろう。
人生における大きな喜びは、 君にはできないと世間がいうことをやることである。
青春の失策は、壮年の勝利や老年の成功よりも好ましいものだ。
大多数の若者は、そのぶしつけと無作法を、 天真爛漫のつもりでいる。
もし他に方法がなければ乞食になってもいい。 しかも乞食になったらその日から、手に入ったお金は自分のためにも、 家族のためにも、無駄なことに絶対に浪費しないという徹底的な粘り強さ。 ――これさえあれば、人間は誰でも金持ちになれるものである。
人間の幸福は、決して神や仏が握っているものではない。 自分自身の中にそれを左右するカギがある。
恋愛では信じてもらうことが必要であり、 友情では洞察してもらうことが必要である。
手の上なら尊敬のキス。額の上なら友情のキス。 頬の上なら厚情のキス。唇の上なら愛情のキス。 閉じた目の上なら憧憬のキス。掌の上なら懇願のキス。 腕と首なら欲望のキス。さてそのほかは、みな狂気の沙汰。
人間は、死ぬことを密かに望んだので戦争をしたのである。 自己保存の要求は極めて深いものかもしれないが、死への欲情はさらに深い。
愛の舞台に上って馬鹿らしい役割を演じるのは、いつでも男だ。
貧乏人の写真が新聞に出るのは、犯罪を犯したときに限られる。
人は、本当に愛していれば、 かえって愛の言葉など白々しくて言いたくなくなるものでございます。