最初の一目で恋を感じないなら恋というものはないだろう。
女が君を愛すると誓っても、必ずしも信じるわけにはいかない。 しかし君を愛さないと誓った時にも、やはり信じすぎないほうがよい。
恋する女の最高の幸福は、 恋する男性によって彼自身の一部と認められることである。
二十代の恋は幻想である。 三十代の恋は浮気である。 人は四十代に達して、 初めて真のプラトニックな恋愛を知る。
愛情と欲情が溶け合ったときには、 恋愛はほとんど友情に近い穏やかさをおびる。
ある一人の人間のそばにいると、 他の人間の存在など全く問題でなくなることがある。 それが恋というものである。
恋愛では信じてもらうことが必要であり、 友情では洞察してもらうことが必要である。
恋は単純で原始的な行為である。それは闘争である。 それは憎しみである。恋には暴力が必要である。 相互の同意による恋愛は退屈な労役にすぎない。
男が女を愛する第一の条件は、 その女が自分の気に入るかどうか、ということである。 ところが女にあっては、もう一つの条件がいる。 それは、自分の選択が他人に気に入られるかどうかということである。
恋は小鳥のように小枝に止まり、歌を聞かせて人をうっとりさせる。 そして、恋が、飛び立つ翼を持っていることを忘れさせる。
甘い恋よ!ああ、お前が翼を持っていなければいいんだが……。
恋の病を癒す薬はいくつもある。しかしそれに間違いなく効く薬というものはない。
恋愛というものは常に一時の幻影で、必ず亡(ほろ)び、さめるものだ、 ということを知っている大人の心は不幸だ。