未だかつて、自分は本当に幸福だと感じた人間は一人もいなかった。 ――もしそんなのがいたら、多分酔っぱらってでもいたのだろう。
死が老人だけに訪れると思うのは間違いだ。 死は最初からそこにいる。
愛されているという驚きほど、神秘的な驚きはない。 それは人間の肩に置かれた神の指だ。
結婚とは、ただ一人のために残りの人々をすべて断念せねばならぬ行為である。
人間として一方弱いところがなかったら、人生は分からないでしょう。
人間には不幸か、貧乏か、勇気が必要だ。 でないと人間はすぐに思いあがる。
若者よ恋をしろ、 身分やお金はないけれど、 恋すりゃ希望が湧いてくる。
友情と恋愛とは人生の幸福を生み出す。 ちょうど二つの唇が、魂を有頂天にするキスを生みだすように。
人はつねに自分の幸福を望むものだが、 つねに幸福を見分けることが出来るわけではない。
スプートニクに乗って、宇宙に飛ばされたライカ犬のことを思えば、 僕の不幸なんてちっぽけなモノだ。
人生は外国語だ。 たいていの人間はそれを間違って発音する。
私を静かにさせておいてくれ。 私が静かにそっとしておれるものなら、いますぐにでも、全世界をだって、 タダの一文で売り渡したいくらいものだ。
常に自分の中に答えを求めなさい。 周りの人や、周りの意見や、周りの言葉にまどわされていはいけません。
畏れることなく醜にも邪にもぶつかって見よう。 その底に何があるか。 もしその底に何もなかったら人生の可能性は否定されなければならない。
友人同士は完全な平等のうちに生きる。 この平等は、まず第一に、 彼らが会ったときに社会上のあらゆる相違を忘れるという事実から生まれる。
私が死んだとき、一匹の蝿がうなるのを聞いた。 部屋の中の静寂は、嵐の高まりの間の大気の静寂のようだった。
できるだけ早く結婚することは女のビジネスであり、 できるだけ結婚しないでいることは男のビジネスである。