自分の仕事を愛し、その日の仕事を完全に成し遂げて満足した。 ――こんな軽い気持ちで晩餐の卓に帰れる人が、世の中で最も幸福な人である。
人間は毅然として現実の運命に耐えていくべきだ。 そこには一切の真理が潜んでいる。
恋愛はポタージュのようなものだ。 初めの数口は熱すぎ、最後の数口は冷めすぎている。
ラブレター…… 青年は急いで読み、壮年はゆっくり読み、老人は読みなおす。
初恋は純の醇(じゅん)なるものだ。 それきりで終わる人は誰よりも幸福な人だ。
「貧困は恥ではない」というのは、すべての人間が口にしながら、 誰一人、心では納得していない諺である。
最初の一目で恋を感じないなら恋というものはないだろう。
大文字ばかりで印刷された書物は読みにくい。 日曜日ばかりの人生もそれと同じだ。
人生は、私たちが人生とは何かを知る前にもう半分過ぎている。
自分を好きになったほうがいい。 長く付き合うんだから。
己の感情は己の感情である。己の思想も己の思想である。
天下に一人もそれを理解してくれる人がなくたって、 己はそれに安んじなければならない。
それに安じて恬然としていなくてはならない。
女が君を愛すると誓っても、必ずしも信じるわけにはいかない。 しかし君を愛さないと誓った時にも、やはり信じすぎないほうがよい。
平凡から非凡になるのは、 努力さえすればある程度の所まで行けるが、 それから再び平凡に戻るのが、難しい。
恋する女の最高の幸福は、 恋する男性によって彼自身の一部と認められることである。
人は、愛もなく妻を持つように、幸福もなく財産を持つ。
二十代の恋は幻想である。 三十代の恋は浮気である。 人は四十代に達して、 初めて真のプラトニックな恋愛を知る。
金のために結婚するものは悪い人間であり、 恋のために結婚するのは愚かな人間である。