常に賢明な人間でありたいと思うなら、決して結婚はしてはならない。 結婚というものは、 ウナギをつかもうと思って、蛇の入っている袋に手を入れるようなものだ。 結婚するくらいなら、まだ痛風にでもかかったほうがマシだ。
男は自分の知っているたった一人の女、つまり自分の妻を通して、 女の世界全体をいい加減に判断している。
誰一人知る人もない人ごみの中をかき分けていくときほど、 強く孤独を感じるときはない。
人間がこの世に存在するのは、 金持ちになるためでなく、 幸福になるためである。
この世に運などない。 全ては試練、刑罰、保証ないしは先見である。
自分の全生命を女の愛というカードに賭けた男が、 このカードが殺された時、 がっくりとなって何事も手につかないほど放心してしまうようなら、 そんな人間は――男ではなく、ただのオスである。
結婚はデザートよりスープが美味しいコース料理である。
幸福の便りというものは、待っている時には決して来ないものだ。
幸福だから笑うわけではない。 むしろ、笑うから幸福なのだと言いたい。
意味を求めたってはじまらないよ。人生は欲望だ。意味などどうでもいい。
少しの悲しみもない純粋な幸福なんて、めったにあるものではない。
もっとも偉大な人々は、人に知られることなく死んでいった。 人々が知るブッダやキリストは、第二流の英雄なのだ。
一度結婚してしまうと、善良であること以外には何事も、 そう、自殺でさえも残されていない。
結婚するのは、二人とも他に身の振り方がないからである。
結婚前には両目を大きく開いて見よ。結婚してからは片目を閉じよ。